審判長講評 畠山 隆吉 先生

 

 今年の中部日本剣道大会は、開会式で申し上げた「世界に誇る剣道」に去年よりも近づけたと感じました。ただ、本当の意味での「世界に誇る剣道」を目指していくには、ただ勝つだけでなく、剣道において代々大切にされてきた勝ち方や試合の終わった後の礼儀作法など、まだまだ勉強して改善すべき点は多くあるとも思いました。
 試合に関しては、接戦や代表戦も多く、各チームの力が拮抗してきた証だと思います。しかし、勝負にこだわりすぎる技というのは、やはり見ていて感動することが少なく、審判にとっても取りにくいものがあります。その中で決勝戦の中堅戦での吉武選手の一本取った後の技は、守りに入らずに気で攻めて打ち切った技でした。そのような技は相手にも響くし、見ている人にも感動を与えます。自分を捨てきって、自分の持てるものを出し切った技。チームの勝敗だけでなく、個々の試合でこのような良い技をしっかり見て、学んで、自分も打てるように精進できるようになっていけるとよいのではないでしょうか。出場する選手が勝つだけでなく、誰もが憧れるような「剣風」を大事にして目指していけば、この大会の格式はもっと上がると思います。